2014/07/30

Windows8ライセンス認証物語

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自作PCを組み立て直して、Windows8を再インストールしたけど、ライセンス認証が通らず。結論だけいうと、サポートに電話してオペレータの人と話をした後、認証のための確認IDを教えてもらったことで、無事認証できました。
それだけの話なのだけれど、しかし、そこに行き着く過程がひどい。すでに最初に表示されるメッセージからひどい。はっきり言って技術とかそういう話じゃない。何だろう、このモヤモヤ、みたいな。

ライセンス認証に関する、端的な技術情報や、手順だけを望む人が多いと思いますが、書いてある通りやったけどダメだった、となって読み手の人の利益につながらない、そもそもあちこちに氾濫している情報でもあるとも思うので、顛末とモヤモヤをだらだら書きます。


電話したらどうなるという手続きだけ先に
  1. 「マイクロソフト製品ライセンス認証専用窓口」に電話します。
  2. 画面に表示されているインストールIDを電話のキーパッドで入力する。(認証は通りません)
  3. オペレーターに詳細を聞く
  4. オペレータにつながる(質問されます)
  5. 確認IDを教えてもらえるので入力する
  6. 認証完了!(お礼を言って電話を切る)
という流れ。2項目インストールIDで認証が通るなら、通常のインターネット経由でのライセンス認証も通るんじゃないかと思う。

抑えておくポイント
  • 「マイクロソフト製品ライセンス認証専用窓口」への電話番号
  • インストールID(電話のキーパッドで入力)
  • Windowsのバージョンなど、オペレーターからの質問には答えられるようにしておく
  • 確認ID(A-Hそれぞれ6桁数字)の入力

PCの引っ越し、そして悩む

先日、PCを組み立て直して、Windows8をクリーンインストールしました。
そして、いざライセンス認証を行おうと、プロダクトキーを入力すると…。
「このプロダクトキーは他のPCで使われています。別のキーを試してください。」というメッセージ。

認証が通らない!

まあ厳密にはいろいろと細かな条件が違いました。PCを組み立て直したと、言いましたが、もう一台新しくPCを組み立ててそっちに引越する感じだったので、たしかに「他にPCで使われている」という表現は間違っていないのでした。だけど、「別のキーを試してください」っていうのはひどい。別のキーで試したからと言って、通ればOKなんていうことはないはずだ。
どちらにしても、プロダクトキーが認証されないというのはどういうことだ!と多少パニックになる。現PCから引っ越すのに、いろんなセッティングをやり終えた後だったので、結構リソースを使ってしまっていたのでした。現在手持ちのプロダクトキーが使えない状態なのはどういう理由か解らないけれど、これをもう一度セットアップしなおすのは大変です。新規で買い直してでも、なんとかライセンス認証を終わらせてしまいたいと本気で思い始める。

情報に溺れる
頭を冷まして、少し検索して調べてみる。そしてWindows8によるライセンスの事細かな話がたくさん出てくるわけですが、正直うんざり。整理がつかないので全然わからない。何が問題なんだろうかと反芻する。プロダクトキーについて、Amazonのレビューとか見てると(Amazonで購入したわけじゃないけど)、海賊版に気を付けろ、買ってはいけないとか出てくるので、手元にあるこれがそもそも大丈夫だったのだろうかと、そういう辺りまで考えて、さらに不安になってくるのです。人間って弱い生き物です。

「電話でのライセンス認証をやれ」と書いてあったページがあったのを思い出す。ダメ元で電話してみることに決める。ダメ元でというところがすでに負い目を感じてしまっている証拠です。
電話でのライセンス認証というと、ちょっと敷居が高い。何より、すでにシステム側にインターネット経由で拒否られているプロダクトキーについて、何をいまさら聞くというんだという心境になっていて、オペレーターも迷惑極まりない話じゃないかと思ってしまうのでした。

さて、ここからは電話によるライセンス認証の始まりです。

サポートに電話(ライセンス認証)
各所のプロバイダのサポート関係の電話のつながりにくいことは有名でしょうけれど、MSのライセンス認証の電話はすぐつながりました。その辺は安心。
そういうわけで、ここから、電話でのライセンス認証を行うとして、待ち受ける手続きについて書いておきます。
認証は簡単ではありますが、落ち着いて行う必要があります。落ち着くことの一助とするために、手続きの手順を知っておきましょう。

0.インターネット経由のライセンス認証に失敗する。
「このプロダクトキーは他のPCで使われています。別のキーを試してください。」と出る。


1.「マイクロソフト製品ライセンス認証専用窓口」に電話します。
「マイクロソフト製品ライセンス認証専用窓口」につながります。
ガイダンスに沿ってダイヤルを押していく。

周りに騒音がなく、中断されることのない環境で行いましょう。
多少時間が掛かります(10-15分)。オペレーターまでいくのがまず大変です。


2.画面に表示されているインストールIDを電話のキーパッドで入力する。(認証は通りません)
インストールIDを打ち込む→認証できません。

ここで諦める人も少なからずいるのではとも思う。電話やってみたけどダメだった、とか。

3.オペレーターに詳細を聞く
詳細を聞くためには1を押してください、とか案内される。

4.オペレータにつながる(質問されます)
オペレータの人にいくつか質問されるので、それに答えます。
  • 認証が必要な製品を教えてください。→Windows8です。
  • パッケージ版ですか?ダウンロード版ですか?→DSP版です(パッケージ版のこと)。
  • PCの移行ですか?→組み直してインストールしなおしました。
  • 部品は何を交換しましたか?→マザーとCPUとその辺です。
  • ライセンス認証は何回行ったか(覚えている範囲でよい)→1回です。(過去に認証に成功した回数らしい)
この問答では、厳密なライセンス違反を探っているわけではないことがわかります。尋問のようなものではない(当然だけど)。要するに非常にゆるい。ここで嘘を付く必要なんてありません。自分の環境を解っている範囲、解っている知識の上で説明すればいいんです。そして、もしそれで通らなかったら、また考えればいいんです。

5.確認IDを教えてもらえるので入力する
A-Hのそれぞれ6桁の数字を教えてもらう。結構時間が掛かる作業です。落ち着いて対応したい。


6.認証完了!(お礼を言って電話を切る)
認証完了です。と画面が出る。
お疲れ様でした。

これから認証する人にアドバイス

Windowsライセンス認証ができなかったときのメッセージとか、あるいは認証をすり抜けるあやしい方法とか、そういう情報を傍目で見ちゃうと、実際ライセンス的に何の問題もなくても、後ろめたくなって控えてしまったり、新しいライセンスキーを購入しないとと思ったりしてしまうのではないでしょうか。

そもそも、ライセンス的に何の問題もないのに、認証できないとかメッセージを出すのがまずどうなんだ。そして手続き上どういう段取りを踏まえて、どうなるのかという情報が開示されていないので、ものすごく面倒と思わざるを得ません。
ライセンス認証がややこしくなるのは、ライセンス認証的に、違反者がどこまでもすり抜ける経路があって、仕方なしに、厳しめに対策を準じていくという経緯があって、それはそのままどこまでもいたちごっこになるのです。
MSとしては、違反者の割合を減らすために、対策を講じるのだと思うのですが、技術的なセキュリティ面は専門的側面しかなくて、正規の利用者にとっては煩わしいだけの話です。
理想を言えば、正規の利用者には何の影響もなく、違反者の割合を減らすだけの対策がもっとも素晴らしい対策でしょう。そして理想とは逆の対策は、当然、違反者が減る減らないに関わらず、対策によって、まっとうな購入者の受けられるサービスに弊害が出ることでしょう。

Windowsのライセンス認証のわかりにくさとかは、すでにそのレベルに達している気がします。違反も何もしてなくても、不穏なあやしいメッセージを出すことで、古いプロダクトキーでは認証を受け付けてくれない、新しいプロダクトキーを入手しないといけないのか、と諦めて新規にプロダクトキーを購入してしまった人も少なからずいるのではないかと、そう疑う。違反者を追い出すというよりは、購入者に負荷を与えたことで収益が上がるわけだから、ものすごく悪質だ。

このあたりをさらに突っ込む。
違反ではないのにサービスを受けられないなんて最低だ、という趣旨のことを言ったけれど、「違反ではない」かどうかをどう判断するのが最大の肝となる。だけど、例えば、これを読んでいる人の状態がどうなんだと言われると、まさにそれを答えるのが至極難解です。ソフトウェアのライセンス形態の複雑怪奇なところが弊害になってて(そもそも前身を作ったのがWindowsだろうけど)、簡単にこれはこれでこうだから、どこまでOKで、これはNGと判断するのが難しい。そんなこと誰にも無理なんじゃないかと思えるくらいに難しい。そもそもPC1台ってなんなんだという定義がすでに抽象的です。生命ってなんだという議論とほぼ同じです。定義があっても、提示元によっても、解釈次第でも判断ができない、移り変わりするもので、答えなんてないのです。

だから、シンプルな解決策として、とやかく違反の是非を考えるのはやめて、ライセンスキーを打ち込んだ認証が通らなくて、わけのわからないメッセージが出たら、その後電話でのライセンス認証を試してしてみればいいのです。通ればそれでOKで、通らなかったとしてもなんかの勘違いで終らせればいいのです。(それでもう一回くらい電話してみればいい)

ライセンス違反を擁護するものではありません
当然のことですが、この記事は、海賊版を推奨するものでも、あきらかなライセンス違反のものを擁護するためのものではありません。微妙なライセンスで右往左往して、ちょっと詳しい人に聞いてみたところ、ライセンスが微妙かもとか、よくわからない回答を得た人に向けて「一歩踏み出してみるべし」という意味を込めて書きました。
自分も、WindowsDSP版の移行ってどこまでOKなのかとか、メッセージがそもそもすべてお見通しの上で拒絶してるというメッセージのように感じたので、これは別途新規にプロダクトキーを用意しないといけないのかなとまで頭を過ったのです。今までのWindowsライセンスでは問題なかったところが、Windows8から厳しくなっているなんて、経験して初めて知りました。ちょっとかじったことがある人ほど、今まで通りでできるんじゃないのかと目算して、まんまとMSさんに騙されるわけです。
そうは言っても、こういったことは今までもあったことだし初めてではないでしょう。反省点として今後のために役立てましょう。

まとめ(いっぱい書きすぎました)

画面でのライセンス認証は何やら厳しめで、オペレーターでのライセンス認証はゆるいようです。基準が同じではないというのはどういうことなんでしょう。Windows8から再インストールは電話認証になったということなのか?

認証できなかったときに表示されるメッセージをメッセージのままダイレクトに受け取ってはいけないようです。
じゃあそんなメッセージ出すなよってとこなんですが、そういう痒いところに届くほど親切でもないようです。日本語訳が間違っているんでしょうか。意図的に混乱させているようにも感じるわけですが、実際ホントどういうつもりなんだろうと訝ってしまいます。Windows8の発表とセールスポイントはニュースになっても、細かいところは専門的扱いされて世間には広まらないものです。

何のことはない、認証できなかったら電話に誘導されるので、電話したら認証できた。というそれだけの物語です。ハウツーではないかもしれません。この物語の教訓は、ライセンス認証の正規の是非という深淵には触れないほうが幸せだということに他ならないわけです。
Windows8を購入すれば Windows8を使える。ただし、新規インストールより一歩でも踏み外せば、そこは限りなく広大なグレーゾーンなのだということ、それはすべてMSの手のひらの上であるということを知っておく必要があります。

神は細部に宿る、というのと同じように、悪魔も細部に宿るようです。まあ、Windowsってそういうところが、相も変わらず、まさしくWindowsですね。

いっぱい書きすぎました。たまにはいいか。
ではでは。